長期安定経営を目指し(品川、目黒、世田谷など)立地にこだわる「アパート投資の王道」

会員さんの建築体験談

■何をしても埋まらない現実…。大阪の3代目大家が決断した"東京への資産組替え"という道

大阪の近郊でアパート経営25才で父親から事業を引き継ぐ

 2007年4月入会 Kさん
 1棟8戸(渋谷区)

        

我が家は代々続く農家でした。祖父がアパート経営を始めたのをきっかけに、父の代、私の代と少しずつ拡大しながら、不動産事業を引き継いできました。
場所は大阪駅から電車で30分ほどのベッドタウン。私は25才のとき、父の他界を機に2DK×17戸のRCマンション1棟、1DKの長屋5戸と、土地を相続しました。

大学を卒業後、ホームセンターで働いていた私には不動産に関する知識が皆無でした。「礼金って何?」というところから勉強をはじめ、書籍やセミナーで必死に「大家業」について勉強しました。
というのも、引き継いだ早々、経営に行き詰まりを感じたからです。町の人口は増えていたのですが、ほとんどがマイホームを建てて住む人で、賃貸の需要は先細る一方。「このままではマズイ…」。危機感は年々強まっていきました。

「100万円でリフォームしても半年以上空室のまま」

空室対策として、東京のデザイナーさんにデザイン料を支払い、100万円をかけて部屋をリフォームしたときのことです。間取りを2DKから1LDKに変更し、キッチンの付き板や壁紙のデザイン性を高め、凝った照明も取り付けました。
ところが、蓋を開けて見れば空室は埋まらないまま…。半年以上経って申し込みが入ったものの、家賃はリフォーム前と同じでした。
その会社のサイトには成功事例がいくつも掲載されていました。しかし、よく見れば人気立地にある物件ばかりでした。

「駅前のワンルームマンションが新築から1年近く埋まらない」

ただ、この物件も広さが40平米あったので、まだ良かったといえます。大阪の郊外では、ワンルームや1Kは何をしても埋まりません。駅の目の前に新築のワンルームマンションができたときも、満室になるまでに1年近くかかったほどです。
マンションは駄目でも、戸建て感覚のタウンハウスならいけるかもしれない。そう考えた私は、空いている土地に、3LDK・70平米のメゾネットが2戸入ったタウンハウス6棟を新築しました。家賃は10万円です。

ところが、こちらもおもったほどの反響はなく、いよいよ地方の「限界」を感じるようになりました。

「長屋を更地にして分譲用地に、マンションは利回り15%で売却」

その後、古い長屋の入居者が1人に減ったところで立ち退きをお願いし、更地にして分譲用地として売却。マンションも地元の業者さんに利回り15%ほどで売り、古い物件を整理しました。マンションは昭和60年築と古かったせいか、利回り10%程度で出しても引き合いがなく、大きな物件の出口の難しさを感じました。
自分なりにやるだけのことをやって実感したのは、「埋まらない物件は何をしても埋まらない」ということです。新しさやデザインではどうにもならない。問題は「立地」にあるとわかったとき、「地元」にこだわらない資産の組み換えという選択肢が頭に浮かびました。

「土地を売却した費用で代々木上原にアパートを新築」

2007年、オンリーワン勉強会に入会しました。それからは、毎月東京の勉強会に参加し、そのたびに東京の人の多さ、街の活気を体感してきました。
そして今年、渋谷区の代々木上原に土地を購入し、8戸の王道アパートを新築しました。

満室時の家賃収入は年間1000万円になります。完成前から入居の申し込みが順調に入る様子に、大阪との大きな差を感じました。
そして今年秋、私自身も東京に越してきました。過去の歴史を見ても、お城の周りに城下町ができるなど、ひとつの場所に集約しやすいのが日本人の特徴です。今後、人口が減って物件は増加する中で、住める部屋の選択肢が増えた人々は、どんどん便利な場所へ集まってくるのではないでしょうか?事実、わたしも「一度は東京に住んでみたい」と思い、大阪を後にしたのです。

「都内でも立地と物件の価値で家賃に大きな差がつく現実」

今の住まいは、経堂駅の近くの6万円台のワンルームです。風呂とトイレは3点ユニットで電磁コイルのミニキッチン、さらに室内洗濯置き場が狭いという悪条件のため、長い間空いていたようです。共益費3000円を引いて欲しいというと、あっさりOKしてくれました。

東京でも地域や物件によっては空室率が高まっている現状を目の当たりにし、「東京ならどこでもいい」ではなく、人気立地の代々木上原に王道アパートを建てるという自分の選択に自信を持ちました。
ただ、昭和60年代にアパートを建てた祖父の決断も、当時としては良い判断だったのです。

そういう意味では、このやり方も先はわかりません。それでも行動したのは、何もしなければ状況は悪くなる一方であること、そして、需給関係を考えると少なくともローン期間の25年間は大丈夫だろうと考えたからです。

「更地で持っていれば良かった」という5年後に後悔してほしくない

地方にマンションを持っている方は、今の入居者さんが退去した場合、同じ家賃で次も決まるでしょうか?地方に土地を持っていて、これからアパートを建てようと考えている方は、本当にこの先、埋め続けることができるのでしょうか?

駅前や駅近の土地はすでに活用されています。これから地方でハウスメーカーのアパートを建てるという人は、まず立地で負け、さらに建物や設備でもいずれは負けることになります。勝ち目はあるのでしょうか?

東京の都心にアパートを持つことは、少なくとも子供や孫の負担になることはないでしょう。しかし、田舎なら負担にしかならない可能性も高いように思うのです。
同じ地主として言いたいのは、「更地のまま持っていた方がましだった」と5年後に後悔しないための選択をしてほしいということです。

「都心以外ではもうやらない」

今の私の目標は、東京にもう一棟アパートを持つことです。"資産増やし競争"には興味がないので、大きく拡大はしないつもりです。もし、それ以降増やすとしても、都心以外でやることはないでしょう。

大阪の物件を整理するときは迷いもありました。しかし、あの物件を今でも持っていたら、東京にアパートを建てることもなく、先が見えずに苦しんでいたはずです。
今は少なくとも希望があります。答えが出るのはまだ先ですが、「東京に資産を組み替えて正解だった」と言えるよう、この先もがんばっていくつもりです。