現在、2箇所で木造2階建ての戸建て住宅の設計を行っています。
ひとつは個人住宅(都内)、もう一つは賃貸住宅×3棟(横浜市内)です。
いずれの敷地も周囲は個人住宅や低層の共同住宅が建ち並ぶ閑静な住宅地で、緑も豊富な素晴らしい住環境です。
さらに敷地面積にゆとりがあるため高さ制限などの法的規制をかわしやすく、比較的自由なヴォリューム検討が可能。
ギリギリを狙ういつもの王道型アパートとはちょっと設計アプローチが違いますね。
そのような条件をふまえ、この二つのプロジェクトでテーマとしたのは「木造住宅の理想のかたち」。
ここでいう理想とはデザインだけでなく居住性、耐久性、メンテナンス性、コストなどトータルで考えてベストであるということ。
具体的には
現在の生活習慣に求められるプランニングとは?
雨の多い日本にはどんな屋根形状が望ましいか?
外壁が汚れないようにするには?
外壁から漏水し難くするにはどうすればよいか?
地震に強くするためには?
街並みにとけ込むデザインとは?
落ち葉の処理が大変なんだけど?
といった要件を全てクリアする建物形状を追求してみました。
その結果行き着いたのが「ふつうのかたち」。
偶然にも両プロジェクトともプランはほぼ正方形、屋根は切妻もしくは寄棟という形になりました。
ちょうど小さな子供に「家の絵を描いてごらん」と言ったときに描いてくれそうな、そんな形です(最近は斬新な家を描く子供も多いようですが)。
それぞれ外観は全く異なりますが、恐ろしいほどありきたりな「ふつうのかたち」です。
しかしこの何でもなさが、実は機能的にもデザイン的にも一番優れていたりして・・・
恐るべし「ふつうのかたち」。
完成したらまたご紹介したいと思います。
ふつうのかたち
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