都内にて、隣接する2棟のビルを所有するオーナーから地震被害がひどいので見てくれと言われ、あわてて行ってきました。
「こっちは何ともないんだけど、こっちがひどいんだよ・・・」
確かに。
2棟の損傷の度合いは明らかに違います。
何れもRC6階建てでほぼ同じ築年数。当然バッチリ杭も打ち込まれています。
何故?
原因は色々考えられますが、その中の一つとして注目したいのは2棟の平面形状の違い。
片やほぼ真四角で片やL型の変形プランなのです。
損傷の大きい方は変形プランのほうでした。
地型の影響を受け、やむを得ずそのような形のプランになったと推測されますが、プランが変形している事で若干構造バランスに影響が出た可能性は否定できないと思います。
より安定した建物にするためには、プランも外観もシンプルな方が良いと思います。
まして収益重視の物件であればなおさらです。
私にご依頼頂いている案件は結構変形敷地が多かったりしますが、可能な限り建物はシンプルなプラン&デザインを心がけています。
最近は構造解析技術も進化しており、どんな複雑な建物でもそれなりに解析できるようになってきました。
しかし耐震性を高める方法の基本は無駄のない合理的なかたちだと思います。
これからもこの基本をいつも忘れないで設計に取り組んでいきたいと思います。
ゆれとかたち
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