皆さん木造建築の耐力壁ってご存知ですか?
耐力壁とは、地震や風による水平荷重に対抗できるよう、筋交いを入れたり構造用合板などを張った、強度上非常に重要な壁のことです。
一般的に木造建築では、この耐力壁が多いほうが安全といわれていますが、ただ設ければよいというわけでなく、配置に気をつけなくてはいけません。
建築基準法では「・・・釣り合いよく配置しなければならない」とされていますが、要はバランスよく配置することが重要だという事なのです。
ところがこのバランスよくというのが悩みのタネで、特にアパートの設計ではいつも苦労しています。
アパートの宿命と言っても良いのですが、界壁(いわゆる戸境壁)方向はたっぷり壁量が確保できるのに対し、間口方向はどうしても壁量が少なくなってきます。
それに加え「暗い部屋はイヤ!窓を大きく!」なんて毎回のようにオーナーさんから言われており、耐力壁確保に苦労する事になります。
窓の数や大きさ、広くてのびやかな空間を保ちつつ、安全な壁量を確保するためにはどうするか?
ここは設計士の腕の見せ所でもありますが、どうしても思わぬところに壁が出てきたり、柱が建ったりするケースもあります。
しかし設計士はそれらの壁や柱が大きくプランに影響することが無いよう、最善の方法を検討しご提案しています。
プランや部屋の明るさも重要ですが、建物の耐震性も重要なはず。
耐力壁を厄介者扱いせず、居住性と耐震性が両立できるアパートづくりを心がけていきたいと思います。
耐力壁
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